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ユーザビリティテスト

by tagami

ユーザビリティテストとは製作したプロトタイプが適切にタスク(操作課題)が達成できるかを実験的に行うユーザー参加による評価手法である。操作の結果やタスクの達成度、操作の際の様子などを分析する。

協力者は人に操作を見られていると心理的負担が生じるのでその負担を少しでも軽減させるため、必要に応じて映像で記録、配信するなどしてその場に居合わせないようにする等協力者へ配慮する必要がある。こうすることで協力者への配慮することができるだけでなくさまざまな観点からの観察が可能となる。

ユーザービリティテストではデザインの認知的な問題を判断する手がかりを得るために発話思考法を用いることが多い。これは実際に操作を行う際に考えていること、理解したこと、感じたことなど、意識にあがるものすべてを声に出してもらい、それを記録するという方法である。次に例をあげる。

「では、アプリを使って予定を管理するということなので(タスクの指示)、カレンダーに予定を書き込んでいきたいと思います。えーっと、アプリを開くと右下に+のボタンがあるのでこれを押せば設定きると思うので押します、、、」

このようにすることで、画面上のインタフェースをこの協力者がどう受け止め、理解し、タスク操作をするためにどう判断したかを知ることができる。

目的

  • 作成したプロトタイプに対するユーザビリティ上の問題を発見し、改善の手がかりを得る(形成的評価)
  • 実装レベル・試作品に対するユーザビリティの度合いを測定する(総括的評価)

手順

ユーザビリティテストは、調査の計画・準備を綿密に行う必要がある。また、実際のテストを行う前に予行演習としてのテストを実施し、計画した実施方法で良いか確認するなど正確なデータを収集するための事前作業を行うことが望ましい。

1. 調査計画を立案する

下記の内容に沿ってまとめるとよい。実施時間はテスト内容や規模にもよるが、2時間を越えると協力者への負担が大きくなるため、事前説明から謝礼まで全てを含め1時間30分〜2時間程度とすることが多い。

  • テストの実施目的、想定ユーザー、サービスの目標の確認
  • 関心ごと(特に確認したい点)、分析方法の決定、操作タスクの設計
  • 実施人数、調査協力者のリクルーティング要件の決定
  • 当日の司会(モデレーター)、分析者、実施環境の手配、対象製品の手配

一般的には想定ユーザー層の5~8名に対して実施する。操作タスクの設計については次の手順で行う。尚、作成したタスクは状況設定としてのシナリオと、協力者に依頼するタスクを文章化したものを印刷し、提示するとともに口頭で説明する。

  1. テストの実施目的・狙いを明確にし、目的に沿った主要なタスクに絞る
  2. ユーザーの視点で、その操作を行う目的や意図、状況を想定する
  3. タスクのスタートとゴールを定義する
  4. タスクを行う状況設定として、シナリオを作成する

2. 調査協力者を募集する

協力者は関係者以外の方に依頼する。外部の専門会社に依頼することが多いが、組織内でプロジェクトと無関係な人で、想定ユーザーに近い人に協力してもらう場合もある。

3. ユーザビリティテストを実施する

実際に協力者の方にご足労いただき実施する。ビデオや操作記録ツールなどで記録する。テストの様子は関係者に観察してもらい、テストが終わるごとに気づいたことを述べてもらう。

ユーザビリティテストを進行する役割の人をモデレーターと呼ぶ。モデレーターは、調査の目的や方法の説明、質問への応答などを行い具体的に問題点をあぶりだせるよう、テストの進行をコントロールする。モデレーターはテストの内容をよく理解したうえで、その場でのタスクの変更や微調整(進行、時間的な対応など)を行うなど時には臨機応変に対応する必要がある。また、協力者との信頼関係を築けることも重要である。協力者を評価するのではなく、サービスを評価するのが目的であることをきちんと伝えるなど協力者へ細心の配慮を行い、協力者のどんな発言にも耳を傾けるという姿勢も重要である。

しかし、モデレーターは協力者への配慮は行うがタスク操作についての正解を教えたり助けたりはしない。なるべく独力で操作するよう促す。協力者から「これで、あとは〜〜すればいいんですよね」など、操作法の確認の質問をされても直接操作方法を教えることは避けると良い。「思った通りにやってみてください」「どうしてそう思いましたか?」「そうするとどうなると思いますか?」といった具合に応酬すると良い。

協力者の操作と発話、その様子や態度から協力者は目の前の状況をどう理解し、どういう期待を持って操作をしているかなど、協力者の認知の過程を想像しながら観察することが大切である。

4. 結果の分析

テストで得られたデータを分析し、問題点とその原因を分析する。観点は下記である。

  • ユーザーインタフェースのわかりやすさ(認知性)
  • 想定された正しい操作と比べた操作の誤り、タスク達成度(有効さ)
  • 操作の際の戸惑い、操作の無駄、タスク実行時間(効率)
  • 操作中の心理(いらだち、不満)、観察とインタビュー、アンケート等で把握する(満足度)

参考文献