フォトエッセイと呼ばれるこの手法は写真とエッセイ(気軽に意見・感想などを述べた散文)を組み合わせることで、人々の行為に対するその人自身の振り返りについての情報を得ることができる。撮影してそれについて意見を書くという作業が伴うため価値観が表現されやすい。また、写真を用いることでユーザーの状況も把握することができる。
これは調査対象者に依頼して作成してもらうもので、テーマと手順を提示し一定期間の作成時間を確保したのち回収する。可能であればインタビューを合わせて実施するのが良い。
作成手順
- 限定しすぎないよう、やや広めにテーマを設定する。
- テーマについて自分の考えを表現する写真を2枚撮影してもらう。(1枚目はアップ、2枚目は全体像の写真)
- その写真がテーマとどう関連するかを気軽に考えや意見、感想を述べるような形で短い文章で説明してもらう。
- エッセイに適したタイトルをつけてもらう。
安藤昌也は同じテーマで2つのタイプのフォトエッセイを作ってもらうことで体験価値や本質的ニーズが得やすくなるとしている。この2つを対比させることで、ユーザーの中での価値観や基準といったものが解釈しやすくなる。
タイプA・・・テーマについて、現在実際に行っていることについて
タイプB・・・テーマについて、現在やりたくてもできていないことについて
タイプBによりユーザーの本音を聞き出すことができる。