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利用文脈・利用状況

by tagami

利用文脈(Context of Use, ≒ 利用状況)とは「どんな状況で、どんな背景があって、どんな脈絡でサービスを使うのか」であり、利用文脈を明確にすることはユーザー理解として重要であり、UXデザインの要素の中でも重要な考え方の一つである。

これはユーザーがサービスを使用する際の状況やその背景あるいは使用する前後で起こるさまざまな出来事の繋がりを指す。人によって異なる場合もあれば、1人の人が同じサービスを使う場合でも毎回同じになる保証はなく利用文脈とは実に多種多様である。

補足しておくと、人は脈絡なくサービスを使うことはない。例えば好きな飲食店のメニューを好きな場所まですぐに届けてくれるUberEatsたるものがある。仕事のお昼休憩に頼んだとする。仕事と仕事の間に(状況)、お昼休憩の時間は短いために出てくるのが遅いレストランに多少の不満があり(背景)、以前知人から試してみたということを聞いており気になっていたし(脈絡:利用前)、このサービスはおそらく、食べたいものが食べられるし、休憩の時間を有効に使えるので良いサービスだろうと予想できた(脈絡:利用後)ので利用してみた、といった具合である。

この利用文脈という考え方には様々な要素が関わっている。(下図参考)

安藤昌也 (2016)『UXデザインの教科書』を元に作成

文脈が変われば対象となるものの知覚の仕方は変わる。これを文脈効果(Selfridge, 1955)という。文脈効果は、過去の経験に基づいたもので、この働きにより多様な意味や解釈可能性を減らし、全体を素早く理解することができる。例えば、いわゆるガラケーを使っていた人がスマートフォンに買い換えたとすると電源の付け方からアプリという概念、Wifiとの接続など実に様々なことを新たに知る必要がある。しかし、Androidのスマホを使っていた人がiPhoneに買い換えた場合、その全体の理解は実に早いであろう。

このように文脈を理解することはユーザーとサービスとの関わりを把握する上で極めて重要でありUXデザインとは切っても切り離せない要素である。

国際規格における定義

ユーザビリティの評価方法に関する国際規格では利用文脈はこう定義されている。

「ユーザー、タスク、設備(ハードウェア、ソフトウェアおよび資材)、それに製品が利用されている物理的・社会的環境」

ISO 9241-11 : 1998, Erogonomic requirements for office work with visual display terminals (VDTs) – Part 11: Guidance on usability, 1998.

この国際規格において押さえておくべき点は、製品の使いやすさを測定しその良し悪しを判断する際は、利用文脈を把握し、その条件をそろえて行わなければならない、という点である。条件をそろえなければならない理由は、利用文脈が製品の利用の結果である製品の使いやすさの度合い(ユーザビリティ)に影響を与えるからである。

人間中心デザインにおける国際規格ではデザインするために最低限必要な利用文脈として4点あげている。その表記は複雑のためわかりやすさをに重視し、具体的な紹介・引用は割愛する。要すると、ユーザーの環境やりたいことの最終的な目標点ユーザーの特徴ニーズを把握することの重要性について述べられている。

参考文献